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私は、俳優として、そしてNY唯一の日本人キャバレーパフォーマーとして、NYを拠点に活動しています。98年に日本大学芸術学部を卒業して、その5月に語学留学という名の元にこの地に来てから、早いもので今年で在NY10年目を迎えます。その間、NYのショービジネスに携わりながら、私が何を感じ、考えたのか、その結果、いまの自分がどうなっているのか、キャバレーショーを始めたいきさつなどをこの3回の連載で書こうと思います。どうぞご愛顧くださいませ。
私は、超演劇少女です。毎日劇場に通いたいほど、舞台が好きです。
そんな私は大学卒業後、1,2年のつもりで語学とアクティングの勉強のためにNYへやってきました。親には、英語の勉強のためと言って、自分の中では、芝居の勉強をするつもりでした(親が役者になることに反対だったので)。
そして1,2年語学学校を転々としたあと、ついにロバート・デ・ニーロが通ったことでも有名なHB Studio(今でこそ日本人留学生が多いですが、当時は私を含めて二人しかいませんでした)にフルタイムの学生として通い始めました。通い始めて2年ほど経つと、飽き性の私は、学校の授業がつまらなくなりました。そして、当時習っていた歌の先生が自分の生徒を集めて行った、キャバレーショーに出演しました。これが、私のNYでの初舞台です。
このキャバレーショーはマンハッタン内にある、キャバレーのメッカとして有名な、Don’t Tell Mamaというところで行いました。NYにおける「キャバレー」というものは、日本のそれとは全く異なります。ジャズバーのような雰囲気の店内で、文化人やショービジネスの業界人が集い、お酒を楽しみながら音楽とトークが匠に混ざり合ったショーを堪能する場所です。
一般的なキャバレーショーでは、小さな舞台に歌手1人とピアニストがいて、約1時間歌ってオシャベリをします。小さな場所なので、出演者と客席に一体感が生まれます。お客さんと掛け合いをすることも多々あります。
今思えば、私の初舞台は発表会のようなものでした。でも、この客席と一体感を味わえるキャバレーがとても好きになりました。
そうこうしていうちに、学校へ通いながら、なんとなく学校外での活動も少しずつ始められました。コマーシャルや、プリント(広告)、映画、舞台などのオーディションに行き始めたのです。でも、私は舞台に出演したかったので、「バックスステージ」という、オーディション情報誌で舞台のオーディションを探して、受けていました。NYにはアジア人(特に純粋なアジア人)を探している、舞台のオーディションはほとんどありません。
私は、だんだんといつあるか分からないアジア人のオーディションを待つことも、ようやく見つけたオーディションにたくさんのアジア人(アメリカ生まれを含む)が1つの役を求めて集まってくることも、途方もないことのように感じ始めました。
私は舞台に立ちたい。セリフを言いたい。歌も歌いたい。情熱は誰にも負けない。でも、その機会はいつやってくるか分からない。エネルギーだけが空回り。
そこで、ひらめいたのです。なぁんだ、じゃあ自分で自分のショーを作ったらいいのじゃないか、と。
これが、私がワンウーマン・ミュージカルコメディ・キャバレーショーを始めたきっかけです。今考えると、随分と無謀なことを思いついたものです。英語力だって歌唱力だってコミュニケーションテクニックだって、何もかも今よりずっと劣っていたのに、知らないとは恐ろしい。今から約5年ほど前のことです。
保科由里子の公式ウェブサイト
http://yurikohoshina.com
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